大会長挨拶
このたび、第31回日本難病看護学会学術集会を、2026年8月22日(土)・23日(日)の2日間にわたり、獨協医科大学 (栃木県下都賀郡壬生町)にて開催する運びとなりました。
私たち一般社団法人日本難病看護学会は、昭和54年の難病看護研究会の発足を起点に、平成7年に学会として設立され、平成29年4月より一般社団法人として活動を継続してまいりました。現在は約900名(2024年4月時点)の会員を擁し、看護職を中心に、医師、リハビリ専門職、栄養士、福祉職、研究者、そして療養者・家族など、多様な立場の会員が参画しています。本学会は、難病看護を中心とするケア、ケアシステムおよび福祉に関する研究を推進し、国民の健康な生活の確保に貢献することを目的として、活動を重ねてきました。
こうした歩みの中で私たちは、難病とともに生きる人々の経験に向き合い、立場の違いを越えて語り合うことの大切さを、今あらためて考えたいと願っております。
本学術集会のメインテーマは、「みる きく 語る 対話する ― 難病看護の今と未来」です。
このテーマには、難病看護がこれまで大切にしてきた「人と人との関わり」の原点をあらためて見つめ直し、患者さんやご家族、当事者、市民、医療・福祉・教育・研究など多様な立場の方々とともに、難病看護の実践と研究を共有し、未来へとつなげていきたいという思いを込めています。
難病とともに生きる経験は、長期にわたり、人生や家族、社会との関係性に深く影響を及ぼします。その複雑さは、医療の枠組みだけでは捉えきれない側面を持ち、生活、価値観、意思決定、社会的つながりなど、広い視点からの理解と支援が求められます。 だからこそ、看護職のみならず、多様な立場の人々が「みる」「きく」「語る」、そして「対話する」ことを通して、難病看護の現在地とこれからを共に考える場が必要であると考えました。
本大会では、当事者、医療職、福祉職、研究者、市民が一堂に会し、難病の包括的医療・ケアに関する知見の共有や、新たな実践・研究・治療の話題を通して、相互に学び合い、つながり合う機会を創出することを目指します。 また、栃木県で初めて開催される本学術集会が、地域と学会、そして社会をつなぐ架け橋となることを願っております。
多くの皆さまにとって、学びと対話、そして新たな一歩につながる実りある場となるよう、実行委員会一同、心を込めて準備を進めてまいります。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
第31回日本難病看護学会学術集会
大会長 須坂洋子(獨協医科大学 看護学部)